時々耳にする「フレイル」って何?
【フレイルとは?】
・日本老年医学会が2014年に提唱した概念
・「Frailtyフレイルティ(虚弱)」からの造語
・「健康」と「要介護」の中間に位置する
・身体的機能および認知機能の低下が見られる
なんでまたカタカナ用語なのでしょうね?「虚弱高齢者」「介護予備軍」などの日本語の方がわかりやすいと思うのですが。
かつて「メタボ」が流行ったから便乗して、「ロコモ」「サルコペニア」を広めようとして失敗。にもかかわらず「フレイル」って……そのセンスがわかりません。
20年以上前、私がクリニック勤務時代に作った「ころばん体操」「ころばん教室」といったネーミングの方が良いんじゃないかと。でも「虚弱」という言葉はキツイので、例えば、「元気にちゃんと、元ちゃん年代、」「老化に気づこう、気づき世代」「日本を築いた、築き世代」「高貴高齢者」「転換期年齢」等々。いや、これらもイマイチか(^^;)
【フレイルの人の割合は?】
・65歳以上の高齢者の20~25%
・年齢が高くなるほどフレイルは急増
(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kaigo_frailty_yobo/shiru/howold.html)
まあ、そうでしょうね。
【全国各地でフレイル対策】
・全国各地でフレイル予防の講演会/情報発信が盛んに行われている
・フレイル予防に大切なのは「栄養/運動/社会参加」
・各々が、心身のちょっとした衰えに気づくことが重要
各地で行われているフレイル対策の費用対効果について、分析は行われているのでしょうか。
体操に関していえば、数十人~数百人を集めた単発的な「フレイル予防体操教室」の場合、その後のフォローアップ(追跡調査)が必要です。教室に参加した人のうち、一体どれくらいの人が教わった体操を継続していますか?医療費や介護費用は減りましたか?主催者や講師の自己満足になっていませんか?
例えば、65歳以上の方に次のような質問をしてみます。
「毎日、何かしらの体操/運動をしている方へ。どのような体操/運動ですか?」
(日替わりで構いません、3つ選んでください)
・ウォーキング、ジョギング、テニス、ゴルフ、水泳など
・NHKのラジオ(テレビ)体操
・テレビ、YouTubeなどの動画、ウェブサイトの資料
・雑誌や本に紹介された体操
・スポーツジムを利用
・定期的にコミセン等の体操教室を利用
・自治体から配布された資料を見て
・講演会や講演会で習った運動
・特に決めず、思いついたままに
結果はわかりませんが、周囲の方から聞いたところでは、どうやら「NHKのラジオ体操」が最強のようです。
「フレイル予防教室」を企画し、チラシを作って、近隣住民に参加を呼び掛けて、スタッフがあれこれ準備して、コロナ対策を万全にして、数十人集めたところで、費用対効果を考えれば「NHKラジオ体操」に勝てないでしょう。そんな気がします。
であれば、次のような体操はいかがでしょうか。
「チャレンジ!アレンジ!ラジオ体操」と銘打って
・しっかり用ラジオ体操
・ゆったり用ラジオ体操
・ちょい用ラジオ体操
・腰痛用ラジオ体操
・肩こり用ラジオ体操
・筋トレ用ラジオ体操
このように、ラジオ体操は〇〇用にアレンジできます。馴染みの音楽に合わせて、あるいは音楽がなくてもOKです。
本気でフレイル予防体操を周知徹底したければ、こういうのが良いと思います。原則は「いつでも、どこでも、ひとりでも」です。